共有持分を売ったら終わりじゃない!売却後に起きる落とし穴とは

共有持分売却後に起こりやすいトラブルとその予防策を解説した図解アイキャッチ画像
売却して終わりじゃない?共有持分売却後に注意すべきトラブルとその防止策を紹介!
5 分 で読めます

共有持分売却後に起こりうるトラブルとその予防策

共有持分を売却したあとに起こる“まさか”のトラブルとは?

共有名義の不動産を共有持分だけ売却した場合、一見スムーズに売却が終わったように見えても、後から思わぬトラブルが発生することがあります。

特に、買主が投資家や第三者業者である場合は、売却後の関係性や生活環境に大きな影響が出ることも。

相談者

共有持分を売ったら、もう関係ないと思っていたのに、買った人とトラブルになってしまって…。

専門家

売却した後も、物件の利用状況や残りの共有者との関係によっては、予期せぬトラブルが発生することがあります。

共有持分の売却における成功と失敗の事例を専門家が解説する図解アイキャッチ画像


なぜ共有持分売却後にもトラブルが起きるのか?

共有持分の売却は「権利」の売却であり、建物の占有や利用そのものを完全に解消するものではないという点が、一般の不動産売買と大きく異なります。

以下は、売却後によくあるトラブルの主な原因です。

第三者が介入することで起きるトラブル

共有持分を取得した第三者が、残る共有者と意見が合わず、対立が発生するケースがあります。たとえば、リフォームの提案や建物の取り壊し、使用方法の変更などが挙げられます。

居住中だった場合の「使用権」をめぐる問題

売却した本人が住み続けていた場合、新しい共有者から**「明け渡し請求」「賃料の請求」**を受ける可能性もあります。


実際に起きた共有持分売却後のトラブル事例

スクロールできます →

トラブル内容 発生した原因
賃料請求トラブル 住み続けていた売主に対して、買主が「不法占拠」と判断し家賃を請求
管理意見の対立 修繕や管理方法について新旧共有者間で方向性が合わず対立
住環境の悪化 投資目的の業者が無断で短期賃貸などに利用し、他共有者が困惑

共有持分の売却=関係の完全終了ではないという現実を理解し、リスクを正しく把握することが重要です。


売却前に把握しておくべき注意点①

売却先がどのような人物・法人かを見極める

一般的な不動産のように誰が購入しても問題ないわけではありません。共有持分の場合、残る共有者との相性やトラブル回避の観点からも、買取業者の選定は慎重に行うべきです。

特に、交渉に慣れていない一般の方が、法律知識の豊富な投資家に対して売却する場合は、想定外の対応を迫られることもあります。


売却後のトラブルを避けるために

事前に弁護士や共有持分に詳しい不動産業者と相談し、今後起こりうるリスクと自分の立場の変化を明確にしておくことが不可欠です。

売却可能な共有持分と売れないケース・条件を解説した図解アイキャッチ画像
共有者が協力してくれない場合の売却時の交渉術と対処法を解説した図解アイキャッチ画像

売却後の共有持分をめぐる代表的な紛争パターン

共有持分売却後には、以下のようなトラブルに発展するリスクがあります。とくに元々住んでいた売主や、残った共有者との関係性によって深刻化するケースも少なくありません。

1. 明け渡し・立ち退きをめぐる争い

売却した共有者が引き続き居住している場合、買主が使用権を主張し、立ち退きを求めてくる可能性があります。法的な観点では、単に共有持分を持っているだけでは専有使用権は保証されないため、トラブルの火種となります。

2. 建物利用・管理方針の不一致

残っている共有者が、第三者の持分取得を快く思っていない場合は、管理費の支払い拒否修繕の妨害など、関係が悪化する可能性も高いです。


売却前にとるべき具体的な予防策

売却によるトラブルを防ぐためには、以下のような対策を講じておくことが重要です。

スクロールできます →

対策項目 内容
相手の選定 専門知識がありトラブル回避の姿勢がある買取業者を選ぶ
居住権の明文化 自身が居住中の場合、事前に契約書などで使用条件を明確にしておく
売却内容の説明責任 残る共有者に対し、売却内容を説明し信頼関係を保つ

売却後のトラブルの多くは「事前の説明不足」や「選定ミス」によって発生します。
将来にわたるリスクを見据えておくことで、売却後も安心して生活を続けられるようになります。


売却後に揉めた場合の対処法

すでに売却後の共有者とトラブルになってしまった場合、以下のような対応が有効です。

  • 弁護士や司法書士に相談し、共有物分割請求の可能性を探る

  • 利害調整が困難な場合は、調停や裁判での解決を視野に入れる

  • 不動産専門の第三者機関に相談し、状況を整理したうえで再交渉

相談者

共有持分を売ってしばらく経ってから、相手と揉めてしまいました。どう対応すべきですか?

専門家

すでに売却後のトラブルであっても、調停や和解、法的措置によって解決する道はあります。早めに専門家に相談しましょう。

共有者が協力してくれない場合の売却時の交渉術と対処法を解説した図解アイキャッチ画像


売却後も残る「共有状態」の責任とは

共有持分の売却後、自分にはもう関係ないと思われがちですが、売却時の契約内容や残る共有者との信頼関係次第では、間接的な責任が問われることもあります。

たとえば、過去の管理不備を指摘されたり、売却先が不法行為をした場合に、元所有者として事実関係の説明を求められるケースもあります。


専門家のサポートを受ける重要性

共有持分の売却は、相場以上に心理的・法的な準備が必要な特殊な取引です。買取専門業者や法務に強い不動産会社に相談することで、売却後のリスクを大幅に軽減できます。

さらに、将来的なトラブルの芽を摘む「事前交渉」や「契約条件の調整」も、専門家を介することでスムーズに進めることができます。


まとめ
共有持分を売却したあとも、思わぬトラブルが発生する可能性があります。特に買主が第三者の場合は、居住権や管理方針などで衝突するリスクも高まります。事前に買取先の選定や契約条件を慎重に確認し、弁護士や専門業者と連携して対策を講じることが、将来の安心につながります。