相続した不動産が兄弟トラブルに?共有持分の売却で回避する方法

親族間のトラブルを回避しながら共有持分を売却する方法を説明するイメージイラスト
親族間トラブルを避けて共有持分をスムーズに売却するポイントを紹介
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親族間トラブルを避けるには?相続した共有持分の売却方法

相続後に残された共有不動産、放置していませんか?

親の遺産として引き継いだ不動産の共有持分
兄弟姉妹で共有名義になっていることが多く、使っていないまま何年も放置しているケースも珍しくありません。
しかし、放置された共有不動産は親族間トラブルの温床となる可能性があります。

  • 管理や税金の負担が偏っている

  • 利用目的や売却方針が合わない

  • 誰かが勝手に使ってしまう

こうした状況が積み重なると、感情的な衝突や法的トラブルに発展することもあります。

なぜ共有不動産が揉め事の原因になるのか?

不動産が共有状態になると、単独で自由に売却・利用・賃貸できなくなるのが大きな問題です。
特に相続では、以下のような背景で話がこじれがちです。

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状況 トラブルの内容
長男が実家に住み続けている 他の相続人が使用料を求めるが、支払われない
一部の兄弟だけが固定資産税を支払っている 支払っていない側とトラブルに
売却を希望する人と、残したい人がいる 意見が対立して交渉が進まない

共有持分を売却する際に準備すべき書類とチェックリストを解説する図解アイキャッチ画像
共有者が協力してくれない場合の売却時の交渉術と対処法を解説した図解アイキャッチ画像

共有持分を売却するという選択肢

実は、共有者の同意がなくても、自分の持分だけを売却することが可能です。
これにより、関係がこじれる前に法的にきれいな形で共有関係を解消することができます。

ただし、売却先の選定には注意が必要です。一般の不動産会社では取り扱いを断られることもあり、共有持分専門の買取業者に依頼するのが現実的です。

相続した不動産を兄弟と共有してるんですが、私だけ持分を手放すってできるんでしょうか?

はい、他の共有者の同意がなくても、ご自身の持分のみを売却することは可能です。専門業者に相談すれば、トラブルなく進められる場合も多いですよ。

売却を検討するタイミングとは?

以下のような兆候が見えたら、早めの売却を検討するサインかもしれません。

  • 管理や費用の分担に不満が出ている

  • 物件を使っていない人が多い

  • 将来的な相続トラブルが心配

  • 建物の老朽化が進んでいる

共有状態のまま不動産を放置するほど、権利関係が複雑化し、トラブルが深刻化します。

売却の手続きはどう進める?

共有持分の売却には以下のような流れがあります。

  1. 持分の範囲や権利を確認(登記簿で調査)

  2. 専門業者に査定を依頼

  3. 売却金額や条件の確認

  4. 契約書作成・締結

  5. 売却完了・登記変更

共有持分と任意売却の違い、および債務整理との関係性を解説した図解アイキャッチ画像
不動産一括査定サイトで共有持分の査定ができるかを検証した図解アイキャッチ画像

専門家に相談すべきタイミングとは?

共有不動産の売却を考え始めたときに、「自分だけで判断していいのか?」「どこに相談すればいいのか?」と悩む人も多いでしょう。
以下のような状況に当てはまる場合は、不動産の専門家や弁護士、税理士への相談が強く推奨されます。

  • 相続登記がまだ済んでいない

  • 他の共有者と連絡が取りづらい

  • 売却に反対している共有者がいる

  • 譲渡所得税や相続税が心配

  • 不動産の価値がよくわからない

兄弟とずっと話し合いが平行線で…。もう売ること自体が無理かもと思ってます。

専門家

解決の糸口はありますよ。状況によっては調停や共有物分割請求など法的手段も使えますし、専門業者なら交渉も代行してくれます。


売却先は慎重に選ぶことが重要

共有持分の売却では、相手選びを間違えると新たなトラブルを生むリスクもあります。

  • 身内への売却:トラブルを回避できる反面、価格交渉が難しくなることも。

  • 第三者(一般個人)への売却:持分のみを買いたい個人はほとんどいないため現実的ではない。

  • 専門の買取業者への売却:価格はやや下がることもあるが、スピード感と安全性が高い。

感情的な話し合いが不要になるという意味でも、専門業者への売却は有力な選択肢といえます。

売却後にやっておくべき手続き

持分の売却が完了したあとも、以下のような手続きが残ります。

  • 登記簿の名義変更確認

  • 確定申告(譲渡所得が発生した場合)

  • 相続税の支払い確認(未納がないか)

「売ったら終わり」ではなく、売却後の法的・税務的な対応までが一連の流れです。
トラブルを未然に防ぐためにも、プロに最後までサポートしてもらうことが重要です。


共有状態を放置した場合に起こるリスクとは?

売却せずに放置しておくと、以下のような問題が将来的に起こりやすくなります。

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放置の影響 将来起こる可能性のある問題
相続が進む 共有者がさらに増え、話し合いが困難に
建物が老朽化 解体費や税金がかさみ、損失が拡大
行方不明者が出る 名義変更や売却が法的に難しくなる

共有持分売却後に起こりやすいトラブルとその予防策を解説した図解アイキャッチ画像

まとめ
相続によって生じた共有持分のまま不動産を放置しておくと、親族間トラブルや法的な問題に発展するリスクが高まります。専門家への早期相談や、共有持分の売却によってトラブルを回避し、安心して次のステップへ進むことが可能になります。放置ではなく、「行動」が未来の選択肢を広げる第一歩です。