共有名義の空き家が税金滞納に!放置リスクとその対処法とは

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共有名義の空き家を放置すると税金滞納で思わぬリスクが発生するかも?
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放置空き家の共有持分が税金滞納に?連帯責任の落とし穴

放置空き家でも税金はかかる?基本の仕組みを理解しよう

空き家となった不動産を相続や離婚などで共有している場合、管理が行き届かずに放置されるケースは少なくありません。
「使っていないからお金もかからない」と思っている方も多いですが、実際には固定資産税や都市計画税などの税金が毎年発生します

特に共有名義の不動産の場合、税金の支払い義務は名義人全員に発生します。これは、共有持分の大小にかかわらず、税法上は“全員が連帯して支払う責任がある”とみなされるためです。


実際にあったトラブル:税金滞納が引き起こす事態

以下のような事例が、現実に起きています。

兄弟で相続した空き家を放置していたら、いつの間にか私のところに督促状が届いてしまって…。

たとえ一部の共有者が滞納していた場合でも、他の名義人に支払い義務が及ぶ可能性があります。特に相続登記未了のケースは注意が必要です。


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問題点 内容
固定資産税の未納 管理されていない空き家でも毎年課税対象となる
共有者の連帯責任 一人が滞納すると、他の共有者に督促が来るケースも
名義変更未了 相続後、登記せずに放置していると負担者不明でトラブル化

相続登記の義務化と罰則に関する解説を表すイラスト
共有持分の相続登記申請書で起こりやすいトラブルと注意点を解説する図解アイキャッチ画像


どんな状況が税金トラブルを引き起こすのか?

空き家における共有持分が原因でトラブルになるケースは、以下のようなパターンに分類されます。

登記が済んでいない相続不動産の放置

相続した後、共有名義にしたまま登記すらしていない場合、役所からの税金通知が故人宛のまま届くため、納付漏れや連絡ミスが頻発します。
気づいたときにはすでに延滞金が加算され、他の共有者に負担が回るリスクもあります。

税金通知を共有者の誰かが無視した場合

共有持分は権利と同時に義務も持っていることが原則です。
そのため、誰か一人が税金を払わなければ、役所は他の共有者に対しても督促をかけてきます。

つまり、税務上は「誰が何割持っているか」ではなく「全員が責任者」と見なされるのです。


どうすれば連帯責任を避けられるのか?

  • 相続登記を早期に完了させる

  • 代表者を決めて管理・支払いを一元化

  • 放置せずに早期売却や活用方法を検討する

などの対策が必要です。

親族間のトラブルを回避しながら共有持分を売却する方法を説明するイメージイラスト
空き家の共有名義を放置するリスクとその解決策を解説する図解アイキャッチ画像

空き家を放置することで増える「見えないリスク」

固定資産税だけじゃない!行政リスクにも要注意

空き家を長期間放置しておくと、最終的には行政から**「特定空き家」に指定される可能性**があります。これは、倒壊・防災・景観などの観点から問題のある建物に対して下される行政判断です。

特定空き家に指定されると…

  • 固定資産税の**住宅用地特例(最大1/6)**が除外される

  • 解体や修繕の**行政代執行(費用負担あり)**の対象になる

  • 所有者に対し50万円以下の過料が科されることもある

放置は「税金を払えば済む」問題ではなく、行政措置まで進展することを忘れてはいけません。


知らないうちに所有権トラブルへ発展

共有名義で放置された空き家では、他の共有者が勝手に使い始めたり、無断で賃貸化したりする事例も発生しています。
相続が絡んでいた場合、「登記されていない共有者の死亡」により、次の相続人が把握できず、さらに権利関係が複雑化するという悪循環に。

うちの空き家、もう10年以上誰も見に行ってないんですが、今どんな状態なのかもわかりません…

建物の損壊や権利関係の混乱が進む前に、専門業者と連携して現状を把握し、早期に対策を講じることが重要です。


売却・活用によるトラブル予防のすすめ

H3:売却によるリスク解消

空き家の共有持分を売却することで、以下のようなメリットがあります。

  • 税金・維持費などの負担から解放される

  • 特定空き家指定を回避できる

  • 他の共有者との関係性を明確化できる

共有者の中に協力的な人がいない場合でも、専門業者を介して買取を進める方法や、持分売却による現金化も可能です


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状況 対応策
税金の滞納リスクがある 代表者を決めて納税管理を行う
他の共有者と連絡が取れない 法律相談や家庭裁判所を活用する
利活用の見込みがない 専門業者への買取相談を検討する

離婚後の不動産共有名義の複雑化を説明するイラスト
共有持分を放棄することは可能かについて解説した図解アイキャッチ画像


放置して後悔する前に、早めの判断を

空き家問題は、時間が経つほど深刻化する傾向があります。
共有名義での持分をそのままにしておくと、税金だけでなく家族関係・権利関係・将来的な処分の難しさも加わります。

だからこそ、「まだ何も起きていない今」が動きどきです。

まとめ
共有名義の空き家を放置すると、税金滞納による連帯責任だけでなく、特定空き家指定や権利関係の混乱といった深刻なトラブルに発展する可能性があります。固定資産税の負担を避け、後悔しないためにも、早期の登記・管理・売却などの対応が必要です。放置はリスクの先送りにすぎず、問題が顕在化する前に専門家へ相談することが解決の第一歩となります。