共有持分トラブル:勝手に住み始めた他人を法的に退去させるには

共有不動産に無断で住む他人を法的に退去させる対処法を示すイラスト
知らないうちに住まれてる?共有物件の不法占拠への対処法
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放置している共有名義の土地に他人が住み始めたらどうする?

第三者が勝手に住み始めた…それ、実はよくある問題です

共有名義の土地を相続したり、購入後に放置していると、「気づいたら知らない人が住んでいた」という事例が実際に多く見られます。
このようなトラブルは、放置したままにすることで状況がどんどん不利になってしまうため、早期対応が非常に重要です。

相続した共有名義の土地に、最近知らない人が住み始めたみたいなんです…。

Jトラスト

それは非常に危険な状況です。放置すると「不法占拠」ではなく、「占有権を主張される」リスクも出てきますよ。

他人が勝手に住んだ場合、それは「不法占拠」にあたるのか?

一般的に、共有名義の土地に無断で住む行為は、「不法占拠」に該当します。
しかし、以下のような点に注意が必要です。

  • 占有者が長期間住んでいる場合、民法の「取得時効(20年)」の問題が発生する可能性があります。

  • 他の共有者がその行為を黙認していた場合、「使用を許可した」とみなされる可能性があります。

そのため、明確に意思表示をしておくことが重要になります。

共有持分の売却代金を共有者で分ける方法を解説するイメージ画像(日本語解説付き)


対処しないとどうなる?時効取得・損害発生のリスク

共有名義の土地を放置していると、以下のような深刻なリスクが発生します。

放置によるリスク一覧

リスク内容 詳細
不法占拠の継続 第三者が居住し続けると、占有者としての権利を主張される可能性あり
時効取得の成立 20年間排他的に使われた場合、法的に「取得」される可能性も
土地の資産価値低下 放置状態・占拠状態が続くと売却や利用が難しくなる
他の共有者とのトラブル 共有者間の意思不一致や責任のなすりつけ合いが発生

こうしたリスクを放置してしまうと、自分の権利を失う事態にもつながりかねません。


まずやるべきは「事実確認と書面通知」

第三者が無断で住み始めたことが判明したら、まず以下のアクションを取りましょう。

初動対応ステップ

  1. 現地の確認
    実際に誰が住んでいるのかを確認し、写真や動画で証拠を記録する

  2. 住人への意思表示
    自分が土地の共有者であることを伝え、「無断使用である」と通知する

  3. 内容証明郵便を送付
    書面で退去を求める内容を明記し、証拠を残す

  4. 警察や弁護士への相談
    占拠者が退去に応じない場合、専門家の介入が必要になります

勝手に住んでる人に直接言いに行ってもいいのかな…?

Jトラスト

トラブル防止のため、内容証明郵便などの書面対応が基本です。対面対応は避け、専門家に相談しましょう。

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無断占有を放置すると起こりうるリスク

占有者が「居住実績」を主張してくることも

共有名義の土地であっても、勝手に住んだ人が長期間そこに住み続けると、「所有の意思をもって占有していた」と主張される可能性があります。特に下記のような状況では、注意が必要です。

  • 郵便物や住民票をその土地に移している

  • 公然と暮らしており、周辺住民に存在を知られている

  • 水道・電気などを契約している

このような状態が10年以上続くと、「取得時効」が成立するおそれがあります。

相手が他人名義で住んでいた場合はどうなる?

仮に、他人が自らの名義で住んでいた場合、あなたの共有持分に対して不利益な状態となりかねません。時効取得が成立すれば、その人が土地の所有権を主張する可能性も出てきます。

えっ、勝手に住んでるのに、所有権を主張されるって…どうしたらいいの?

Jトラスト

ご安心ください。時効成立を防ぐには「占有を認めない意思」を早い段階で示すことが大切です。


共有者として取るべき具体的な対処法

まずは現地確認と証拠保全を

相手が無断で住んでいると気づいたら、現地の状況を確認し、写真や動画で記録を残すことが重要です。加えて、以下のような情報も控えておきましょう。

  • 表札・郵便物の宛名

  • 実際に住んでいる人物の氏名・特徴

  • 電気・ガス・水道の契約状況

これらの証拠は、後の法的措置で「正当な占有ではない」ことを証明する材料になります。

内容証明で「退去通知」を送る

次に、内容証明郵便で「退去の意思」を明確に伝えることが有効です。弁護士などの専門家を通じて以下のような文面を送ります。

  • 土地が共有名義であること

  • 他人の占有を許可していないこと

  • 速やかな退去を求めること

これにより、相手の「占有」が時効の起算点として認められないように防ぐ効果があります。


法的手段:明渡し請求と共有物分割請求

不法占拠者に対する「明渡し請求」

退去に応じない場合は、不法占拠として裁判を通じた「明渡し請求」が可能です。これは、共有者の1人でも単独で行うことができます。

長期的には「共有物分割請求」も視野に

共有名義のままでは、他人が住みつくリスクを完全に排除できません。そのため、最終的には「共有状態を解消する」ことが根本解決となります。

  • 他の共有者から持分を買い取る

  • 持分を売却し現金化する

  • 共有物分割訴訟を起こす

これにより、今後のトラブルを未然に防ぐことが可能になります。

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無断占有者とのトラブル事例と対処比較

以下は、共有名義の土地に無断で住み始めた他人に対する対処パターンと結果の比較表です。

【無断占有への対応事例比較】

ケース 対応方法 結果 解決までの期間
気づいて即対応 内容証明郵便+弁護士対応 2ヶ月で自主退去 約2ヶ月
放置して10年経過 証拠不十分・時効成立 所有権を一部失う可能性あり 約10年以上
共有者間で放置合意 誰も動かず放置され続ける 地域トラブルに発展するケースも 数年
裁判で明渡し請求 弁護士費用・時間的負担あり 強制執行で明渡しに成功 約半年〜1年

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まとめ
放置された共有名義の土地に他人が住み始めると、「取得時効」や地域トラブルに発展する恐れがあります。初期対応が遅れるほど、所有権を失うリスクが高まります。まずは現地確認と証拠の確保を行い、内容証明で占有の否認を明確に伝えることが重要です。最終的には、共有名義の解消を視野に入れた行動が、リスクを根本から排除する一手となります。