共有持分でも使える?一括査定サイトの落とし穴と活用法

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共有持分でも一括査定できる?査定の可否とその仕組みを検証!
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不動産一括査定サイトの仕組みと特徴

インターネットで不動産を売却しようと検索した際、まず目にするのが「一括査定サイト」です。複数の不動産会社に一度で査定依頼できる便利なサービスとして広まっていますが、共有持分の不動産においても有効に機能するのでしょうか?

一括査定サイトは、所有する不動産の情報(所在地、面積、築年数など)を入力すると、提携している複数の不動産会社にその情報が自動送信され、各社から査定額が提示されるという仕組みです。一般的なマンションや戸建て、土地では効率的な比較材料になります。

しかし、共有持分という特殊な権利形態では、単純な査定だけでは価格の妥当性や売却可否を判断しにくい点があるため、注意が必要です。

売却可能な共有持分と売れないケース・条件を解説した図解アイキャッチ画像

共有持分物件における一括査定の限界

共有持分とは、1つの不動産に対して複数人が法的に所有権を持っている状態を指します。そのため、所有者全員の合意がなければ売却そのものが難しい場合もあります。

このような特殊事情を理解せず、通常の物件と同様に査定する業者も多く、誤った評価が下されるリスクがあります。

相談者

共有名義の土地なんですが、一括査定サイトに出してみても意味ないって聞いて不安で…。

専門家

一般的な不動産とは異なり、共有持分には売却の制限や評価上の難しさがあります。サイトに出す前に、対応可能な業者を見極めるのが重要です。

対応できる業者が限られている現実

一括査定サイトに登録している不動産会社の多くは、通常の物件を中心に取り扱っており、共有持分の売買に精通していないケースが少なくありません

そのため、実際には「対応できない」と言われたり、査定自体が拒否されることもあります。仮に査定されたとしても、評価額が極端に低くなる傾向があるため、過度な期待は禁物です。

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比較項目 通常物件 共有持分物件
査定対応業者数 多い 限られる
査定精度 高い ケースによる
買取スピード 早い(平均1〜3ヶ月) 専門業者なら即日対応も可
契約時の難易度 低い 所有者全員の合意が必要

共有持分の売却では、専門知識と実績がある業者を選ぶことが成功のカギになります。

一括査定サイトを使うべきケースと避けるべきケース

すべてのケースで一括査定サイトが無意味というわけではありません。以下のような場合には、活用する価値があります

  • 売却希望者が自分一人で、他の持分も買い取って所有権統一を目指しているケース

  • 共有者間で事前に合意があり、共同で売却を進める準備が整っているケース

  • 専門業者が登録されている一括査定サイトを選定できるケース

一方、以下のような状況では利用を見送るか、慎重な判断が求められます。

  • 他の共有者との関係が悪化している

  • 所有者の所在が不明で、売却合意が困難

  • 専門対応ができない一般業者しか登録されていないサイトに依頼しようとしている

共有者が協力してくれない場合の売却時の交渉術と対処法を解説した図解アイキャッチ画像

専門対応可能な業者の見極め方

共有持分の売却では、「査定できるか」ではなく「正確に査定できるか」が重要です。よって、専門対応可能な業者をどう選ぶかが最大のポイントとなります。

以下のような条件を満たす業者であれば、査定額の信頼性は高く、売却までスムーズに進む可能性があります。

  • 共有持分や訳あり物件の買取実績がある

  • 売却前後のトラブル対応(他共有者との交渉など)に強い

  • 訳あり査定に特化した査定ロジックや弁護士連携がある

一括査定サイトを使う際の注意点

相談者

よくある一括査定サイトで申し込んだら、ほとんどの会社に「対応できません」と言われてしまって…。

専門家

共有持分に対応していない業者は多いです。初めから対応可能と明記している専門業者を探すのが効率的です。

一括査定サイトを利用する際には、「共有持分」や「訳あり物件」対応の記載があるかを必ず確認しましょう。また、査定依頼時には下記のような注意を払うことで、ミスマッチを防げます。

  • 「共有持分の売却を希望」と明記して依頼する

  • 売却希望の権利内容(持分割合、登記状況など)をできるだけ正確に伝える

  • トラブル歴や交渉状況など、補足情報を記載しておく

これにより、対応可能な業者だけが査定に応じ、後々のやり取りもスムーズになります。

専門業者へ直接相談するという選択肢

一括査定サイトは便利な反面、対応外業者からの連絡が増えたり、個人情報提供に不安を感じる方も少なくありません。そのため、共有持分に精通した専門業者へ最初から直接相談するという選択肢も有効です。

以下のようなメリットがあるため、最短で結果を出したい方におすすめです。

  • 一般査定よりも高額査定が期待できる

  • 売却成立までのスピードが早い(最短数日)

  • 共有者間の調整や書類手続きまで一括支援してくれる

共有持分の査定でよくある誤解

共有持分の査定には、以下のような誤解過信がつきものです。

誤解 実際の状況
通常の不動産と同じように売れる 持分単独では流通性が低く、買取先も限られる
一括査定なら正しい相場がわかる 共有持分対応の業者が少ないため、正確な評価は難しい
価格が安いなら売れない 条件によっては高く買い取る投資家や専門業者も存在

共有持分の査定では、相場ではなく「個別性」が強く影響します。
同じ持分割合でも、他の共有者との関係性やトラブル歴によって、価格は大きく変動します。

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まとめ
共有持分の査定に一括査定サイトを利用することは可能ですが、正確な評価や売却成功のためには、対応できる専門業者かどうかを見極めることが最も重要です。トラブルや交渉を伴う複雑な持分売却では、実績豊富な専門業者への直接相談が、スムーズかつ高額売却につながる近道です。


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